おたがいを知らずに別々の町で育ったふたごの姉妹ルイーゼとロッテ.
ある夏,スイスの林間学校で,ふたりは偶然に出会います.
父と母の秘密を知ったふたりは,別れた両親を仲直りさせるために,
大胆な計画をたてるのですが…….待望の新訳.
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これも新訳。「待望の新訳」だったのか。もう半世紀も前の翻訳ではやっていけない、ということだな。どんどん新しい訳がでて読みやすくなっている。翻訳の質はたしかに上がっていると思う。『宝島』のごつごつした訳、『大草原の小さな家』の「とうちゃん」はやっぱりひっかかるものがあったからな。高橋訳の硬い訳文も嫌いじゃなかったんだけど、新訳を読むとやっぱり読みやすい。今じゃナツメグを「ニクヅク」とはいわないからな。
この本、ずっと『ふたごのロッテ』だと思っていた。それじゃネタバレになるからわざわざ『ふたりの』だったんだな。ストーリーは今読んでもおもしろい。ふたりが入れ替わるところなんて今でもはらはらする。お互いがおかあさんの写真を見るところも胸が詰まる。
数年前たまたまTVで古い『ふたりのロッテ』の映画をやっていた。お父さんの新しい恋人が本の印象通りのご婦人だったので笑った。子どもの頃はなんとも思わなかったけど、今にしてみると「おいおいお父さんの恋はそのままそっとしておいてやれよ」とも思うな。ま、そうならないようにいやなお金持ちの婦人にしてあるんだけどね。